【逆リーマンショックか?】円の価値が溶けていく時代の正体 – 止まらない株高と金銀銅高は通貨への警告シグナルか

インフレ

はじめに 値上がりではなく通貨の価値が下がっている

日経平均株価が史上最高値を更新し、金(ゴールド)や銀の価格も連日のように高値を追っている。

ニュースでは景気が良いかのように報じられるが、日常生活の実感とは乖離があると感じる投資家も多いはずだ。

30代・40代の資産形成層が理解すべきは、この現象が単なる好景気による資産価格の上昇ではない可能性があるという点だ。

むしろ、日本円という通貨の価値が下落しているために、相対的にモノや株の値段が上がって見えているに過ぎない側面がある。

つまり目鼻の効く投資家は現在の株高と資源高を決してポジティブな上昇とは捉えていないが、この上昇にしっかり乗らなければ損だと思っている。

円の減価が止まらない今、現金だけで資産を持つことは、静かに、しかし確実に資産を失う行為となり得る。

本記事では、円安と資産高のメカニズムを解明し、この局面で取るべき投資行動について考察する。

1. 円安が引き起こす 資産インフレ のメカニズム

円の価値が下がるとは、海外から見た日本の資産がバーゲン価格になることを意味する。これが株高とコモディティ高を牽引する強力なエンジンとなっている。

外国人投資家による日本株買い

円安が進むと、ドル建てで資産を持つ外国人投資家にとって、日本株は割安に映る。例えば、1ドル100円の時に1万円の株を買うには100ドル必要だが、1ドル160円になれば、より少ないドル資金で購入が可能になる。

日本市場の売買シェアの6~7割を占める彼らが、割安になった日本企業の株式を大量に買い越すことで、株価が押し上げられている側面は否定できない。

また、輸出企業にとっては円安が業績の追い風となり、これがさらなる株価上昇の要因となる循環が生まれている。

通貨の逃避先としての実物資産

金や銀などの貴金属は、国際的にはドル建てで取引される。したがって、ドル円相場で円安が進めば進むほど、国内の円建て金価格は自動的に上昇する仕組みになっている。

さらに、世界的なインフレや地政学リスクの高まりにより、発行体のない無国籍通貨である金への需要が高まっている。

円というペーパーマネーの信用力が揺らぐ中、究極の実物資産である貴金属へ資金が逃避するのは、歴史的にも繰り返されてきた防衛本能であると言える。

2. 持たざるリスクが最大化するフェーズ

これまで日本人は、デフレ環境下で 現金こそが王様(キャッシュ・イズ・キング)であるという成功体験を持ってきた。

しかし、インフレと円安が同時進行する現在、その常識は逆転している。現金が王様から金が王様になりつつある。

預金の実質価値の毀損

銀行に1000万円預けていても、物価が上がり、円の価値が下がれば、実質的な購買力は目減りする。現在のインフレ率が高く推移しているのに対し、預金金利は低位に留まっている。

この差額分だけ、あなたの資産は毎年確実に削り取られている計算になる。投資をして資産を増やそうとする以前に、投資をしなければ資産を守れない時代に突入していることを認識する必要がある。

格差の拡大要因

株や金を持っている層は、円安による資産価格上昇の恩恵を受け、資産を増やしている。一方で、現金しか持っていない層は、物価高のダメージを一方的に受けることになる。

金融資産を持つ者と持たざる者の格差は、この円安トレンドが続く限り、残酷なまでに拡大していくことが予想される。

3. 30代・40代が取るべき 長期・分散・積立 戦略

では、今から全財産を株や金に変えるべきかといえば、それは早計だ。高値掴みのリスクを考慮しつつ、冷静に資産配分(アセットアロケーション)を修正していく必要がある。

世界への分散投資

日本円の価値下落に備えるには、資産の一部を外貨建て資産に移すことが有効だ。

S&P500や全世界株式(オール・カントリー)などのインデックスファンドを購入することは、間接的にドルやユーロなどの外貨を持つことと同義である。

日本の成長のみに依存せず、世界経済の成長を取り込むことで、日本円のリスクをヘッジする視点が重要となる。長期的な視点では、過去の実績から年利5%〜7%程度のリターンが期待できる。

金・銀のポートフォリオへの組み入れ

株式だけでなく、金や銀といったコモディティをポートフォリオの5%〜10%程度組み入れることも検討に値する。

これらは株式とは異なる値動きをする傾向があり、株価暴落時のクッション役(安全弁)として機能することが期待できるからだ。

特に銀は金に比べて割安圏に放置されているとの見方もあり、産業用需要の増加とともに見直し買いが入る可能性もある。

金や銀の値段を下げるためにCMEによる証拠金引き上げ攻撃も起きているが、投資家がダメージを受けたのは最初だけで、最近は証拠金を引き上げても無風どころか上がっている。

4. 忘れてはならないリスクと出口戦略

現在のトレンドが永遠に続くわけではない。一本調子な上昇相場の裏には、必ず反動のリスクが潜んでいる。

為替の逆回転リスク

もし日銀が金融政策を転換し、大幅な利上げを行えば、円高方向に巻き戻しが起こる可能性がある。

1ドル140円台まで円高が進めば、円建ての株価や金価格は大きく下落し、資産評価額が目減りするリスクがある。為替リスクは常に両刃の剣であることを忘れてはならない。

日銀が0.25%ずつ恐る恐る上げている現状ではドラスティックな為替の変動は起きないだろうが、仮に0.5%以上上げたら円高に振れる可能性はある。

また米国と金利差が逆転すれば円高に振れる可能性もあるが、為替の見通しは読めない。

バブル崩壊の可能性

実体経済とかけ離れた株価上昇は、いずれ調整局面を迎えるのが世の常だ。特に海外投資家の資金は逃げ足が速い。

彼らが利益確定売りに転じれば、梯子を外された国内投資家が高値掴みで取り残される構図も想定される。

余裕資金での運用を徹底し、生活防衛資金には手をつけないという基本ルールを厳守すべきだ。

最悪な投資

インフレ下は現金で保有するのは確かに損だが、下手に投資をかじってレバレッジをかけたり投機的な手法にのめりこんで大損することもある。そう考えると現金のままの方が良かったじゃん!となりかねない。

まとめ

円安、株高、金高の連鎖は、日本円の購買力が低下していることへの警鐘とも受け取れる。

30代・40代の投資家にとって、この現象を単なる他人事として傍観することは、最大のリスクとなる。

日本円という船が浸水しつつある今、株式や貴金属という救命ボートに資産の一部を移し替えることは、攻めの投資ではなく、守りの資産防衛である。

感情に流されず、淡々と資産の一部を実物や外貨へシフトさせる合理的な行動こそが、将来の豊かさを守る鍵となるはずだ。


※本記事は情報の提供を目的としており、投資の勧誘や売買の推奨を目的としたものではありません。投資判断はご自身でお願いいたします。

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