はじめに 資産家への道は暴落の対処で決まる
株式市場において、晴天の日ばかりが続くことはあり得ない。数年に一度、必ず台風のような大暴落が訪れる。多くの初心者はそこで恐怖に駆られ、市場から退場してしまう。
SNS上で爆益報告が増えたり、労働を馬鹿にするような投稿が増える場合は、ある程度警戒すべきなのかもしれない。だから相場の天井だと断言できるわけではないが、暴落に対する備えも必要になってくる。
しかし、30代・40代で長期投資を志す者にとって、暴落は決して恐れるべき事象ではない。むしろ、過去の歴史を振り返れば、資産を大きく増やすための絶好の仕込み時であったことがわかる。
重要なのは、嵐が来た時にあるいは来る前に傘を差す準備ができているかどうかだ。本記事では、相場が崩れた時に投資家がいかに行動すべきか、その鉄則を解説する。
1. 狼狽売りは資産を破壊する最悪の悪手
感覚的に暴落がキャッチできるなら事前に売ることは良い結果をもたらすが、いざ暴落が起きてから慌てて底値で売却するのは避けたいところだ。
プロスペクト理論の罠
行動経済学におけるプロスペクト理論によれば、人間は利益を得る喜びよりも、損失を被る苦痛を2倍程度強く感じるとされる。
そのため、株価が急落すると、これ以上損をしたくないという防衛本能が働き、底値付近ですべてを現金化してしまう衝動に駆られる。
しかし、過去のS&P500などのデータを見れば、暴落後に市場を去った投資家と、歯を食いしばってホールドし続けた投資家のパフォーマンスには決定的な差がついている。
市場に居続けることこそが、回復局面の利益を享受する唯一の切符である。
実際に管理人も金、銀、プラチナが証拠金の引き上げで大暴落した時も歯を食いしばって買い増しをした。気分は良くないが、こういった局面でどう動くかが投資リターンの成否を分ける。
評価損は確定損ではない
画面上の数字が赤くなり、マイナスが増えていくのは精神的にきつい。だが、それはあくまで評価上の数字に過ぎない。
30代・40代であれば、老後までにはまだ長い時間がある。短期的な変動に一喜一憂せず、本来の投資目的を再確認する冷静さが求められる。
特にコア・サテライト運用をする際に、短慮を起こしてコア部分(オルカンやS&P500などのインデックスファンドの積み立て)の投資を投げ出さないようにするメンタルも必要だ。
2. 暴落時こそが最高のアキュムレーション(買い集め)局面
ウォーレン・バフェットの言葉を借りるまでもなく、皆が悲観に暮れている時こそが、優良資産をバーゲン価格で手に入れるチャンスとなる。
ドル・コスト平均法の真価
積立投資を行っているなら、暴落時はいっさいの設定を変更せず、淡々と買い付けを継続すべきだ。
株価が下がっているということは、同じ金額でより多くの口数を購入できることを意味する。
平均取得単価を引き下げるこの効果は、相場が回復した際に爆発的なリターンとなって返ってくることが期待できる。
下がる相場は不愉快だが、暴落時は安くたくさん買えてラッキーであると脳の認識を書き換える必要がある。
余裕資金によるスポット購入の検討
もし、生活防衛資金とは別に待機資金(ドライパウダー)があるなら、分割して買い向かうのも有効な戦略だ。
ただし、一気に全額を投入するのは危険である。どこが底かは誰にも分からないからだ。
例えば、高値から〇%下がるごとに資金の数分の一ずつ投入するなど、機械的なルールを設けて感情を排した買い増しを行うことが推奨される。
実際に管理人も貴金属投資の際に前日比〇%下がったら買い増すというルールを儲けて、機械的に買い増ししている。
またウォッチしている銘柄をアラート設定して、ここまで下げれば通知が来るという設定にしている。
3. リバランスによるポートフォリオの修復
暴落時には、株式の価値が下がり、相対的に債券や現金の比率が高まっているはずだ。この歪みを正すリバランスは、合理的な逆張り戦略となる。
高く売って安く買うシステムの自動化
例えば、株式と債券を50:50で持っていたとする。株価の暴落により比率が40:60になった場合、値上がりしている(あるいは下がっていない)債券を売り、値下がりしている株式を買い増して50:50に戻す。
この作業を行うだけで、感情に頼ることなく、自動的に安い資産を買い、高い資産を売るという投資の王道を実行できる。暴落時や暴騰時はポートフォリオを見直す絶好のメンテナンス期間でもある。
4. 暴落時に想定すべきリスクと注意点
チャンスであると強調したが、無謀な行動は破滅を招く。以下のリスクシナリオは常に頭に入れておくべきだ。
落ちるナイフを素手で掴む
株価が下がったからといって、その企業や経済のファンダメンタルズ(基礎的条件)が毀損していないとは限らない。単なるパニック売りなのか、企業の倒産リスクや構造的な不況の入り口なのかを見極める必要がある。
特に個別株投資においては、安くなったという理由だけでナンピン買いを重ねると、そのまま紙切れになるリスクがある。インデックス投資以上に慎重な判断が求められる。
回復までの期間は予測不能
V字回復を期待して全力買いをしたものの、相場が低迷を続けるL字型の推移をたどる可能性もある。歴史的には、世界恐慌や日本のバブル崩壊のように、高値を更新するまでに数十年を要したケースも存在する。
その時の高値で買ってしまうと10年単位で耐えなければいけないが、その間配当が出ないと地獄でしかない。
今がバブルなのか実需の相場なのか判断する
実需があって実力があって上昇している相場なのか、あるいはチューリップの球根に異常に高い値が付いているだけの相場なのか判断する必要がある。
銀相場は特にハント兄弟の買い占めで大暴騰した時は、産業界で実需が無いので明らかなバブルであった。一方で現在は産業界で爆発的な需要があって大暴騰している。
同じように値段が上昇しているといっても中身の無い上昇なのか、中身のある上昇なのかは見極める必要があるだろう。
まとめ
相場の大暴落は、投資家としての資質を試される踏み絵である。
30代・40代の投資家にとって、暴落は資産を減らすイベントではなく、将来の富を加速させるためのイベントだ。
特にリスクオフの時は、Fear and Greed index(強欲指数)がExtreme Fear(極度の恐怖)まで落ち込んだら買い時だと言えるのかもしれない。(あるいはExtreme Fearの前で反発することも多くある)
嵐が過ぎ去った後、市場に残っている者だけが、次の上昇相場の果実を味わうことができるのである。
※本記事は情報の提供を目的としており、投資の勧誘や売買の推奨を目的としたものではありません。投資判断はご自身でお願いいたします。


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